業界全体の評価ではなく、仮説を作るための予備観測です。20社では、業界の傾向を統計的に断定することはできません。

観察記録予備観測 第0号英会話スクール(大人向け・独立系)20社/観測日 2026-08-01

英会話スクール20社は、最初の画面で何を伝えているか

全国11都市の独立系英会話スクール20社のトップページを観測しました。「何のスクールか」は17社で伝わる一方、「誰向けか」まで伝わるのは9社でした。料金が分かるのは9社、「楽しく」を掲げるのは13社です。

なぜこの業界を観測したか

あえて、広告提案の実績が少ない業界を選びました。

理由は二つあります。ひとつは、当研究所が扱うのは外から見える範囲だけで、業界の内情を知っているかどうかを前提にしないこと。もうひとつは、特定の会社に営業をかける目的の調査にはしないことです。

数え方

  • 対象は、大人向けの一般英会話を主とする独立系スクール20社です。全国展開の大手チェーンはあえて対象から外しました。地域性も踏まえて、サイトの構造を見たかったためです。
  • 地域の偏りを避けるため、東京・横浜・名古屋・大阪・京都・仙台・札幌・金沢・広島・福岡・熊本の11都市から集めました。
  • 観測したのは各社のトップページのみです。広告用のランディングページ、下層ページは含みません。
  • 料金表示の有無、行動を促すリンクの数と文言、共通語の出現社数は、当研究所の研究ツールと同じプログラムで機械的に数えました。AIには数えさせていません。
  • 「最初の画面で分かるか」だけは機械で判定できないため、PC表示(横1280×縦800)でスクロールせずに見える範囲を、研究員が実際に画面を見て判定しました。判定基準は、①英会話を教えるスクールであること ②大人が通えること の両方が読み取れる場合を「分かる」としています。
  • 公開するのは統計とパターンのみです。個別の社名・URLは公開しません。特定の会社を評価する目的の調査ではないためです。
観察記録予備観測 第0号
最初の画面で「誰向けの何のスクールか」が分かる①英会話のスクールであること ②大人が通えること の両方が読み取れた場合。8社は①のみ、3社は①も読み取れませんでした。
20社中 9社
うち「何のスクールか」までは分かる
20社中 17社
料金が分かる(金額の表示がある)
20社中 9社
電話番号の表示
20社中 9社
実績を数値で示している「創業◯年」「累計◯名」など、数値をともなう表現の有無。
20社中 16社
行動を促すリンク・ボタンの数最も多い文言は「お問い合わせ」で9社。次いで「お問合せ」3社、「詳細はこちら」2社。
平均 5.6個
共通語:体験レッスン/無料体験
15社/13社
共通語:楽しく/アットホーム
13社/7社
共通語:初心者/ネイティブ/マンツーマン/少人数
12社/11社/9社/9社
休んだ回の「振替」に触れている「休会」に触れているのは1社、「担任」は2社でした。
20社中 4社
トップページの文字数
平均 3,126字
画像の代替テキスト充足率画像に代替テキスト(alt)が入っている割合。読み上げ環境での伝わり方に関わります。
平均 59%

数値から読み取れること

  • 「何のスクールか」は17社で伝わる一方、「誰向けか」まで伝わるのは9社でした。差の8社は、子どもの写真や子ども向けのお知らせが最初の画面を占めています。大人向けのコースを持っていても、大人の来訪者が自分向けだと判断しにくい状態になっている可能性があります。
  • 「楽しく」を掲げるのが13社、「アットホーム」が7社ある一方、休んだ回の振替に触れているのは4社、休会は1社でした。続けやすさを気持ちの面から伝える会社は多く、続けられなかったときに何が起きるかを条件として書く会社は少ない、という差が見られます。
  • 料金が分かるのは9社で、体験レッスンを入口に置くのは15社でした。料金を確かめる前に体験へ進む設計が多数派です。料金を先に知りたい来訪者にとっては、問い合わせるか、そのまま離れるかの二択になっている可能性があります。
  • 行動を促すリンクは平均5.6個ありましたが、最も多い文言は「お問い合わせ」(9社)でした。押した先で何が起きるかを予告する文言は少数です。数を増やすほど、どれを押せばよいかの判断は難しくなります。
  • どのくらい通うと何ができるようになるかを数字で示していたのは、確認できた範囲では1社(総時間数の提示)でした。「初心者歓迎」は12社にありますが、初心者がどの状態を指すのかを書いた例は見当たりませんでした。
  • 地域名を最初の画面に置いている会社は多く、「◯◯市の英会話スクール」という形が繰り返し現れました。ただしその多くはヘッダーの小さな文字で、画面の中央には情緒的なコピーが置かれています。伝えたい情報と、大きく見せている情報が入れ替わっている例が複数ありました。
誰も答えていない質問
  • 続けられなかったとき、どうなりますか。(休んだ回はどうなるか、休会できるか、やめ方はどうか)
  • どのくらい通うと、何ができるようになりますか。
  • 講師は毎回同じ人ですか。変わる場合、それまでの内容は引き継がれますか。
  • 「初心者歓迎」の初心者とは、どの状態の人を指していますか。
  • 大人だけのクラスはありますか。それとも子どもと同じ教室で、時間帯が違うだけですか。

今は断定できないこと

  • 20社は業界全体を代表する数ではありません。この観測は傾向をつかみ、仮説を作るためのものです。業界の実態を統計的に示すものではありません。
  • 観測したのは各社のトップページのみです。料金・振替・期間の説明が下層ページにある場合、この観測では「確認できず」として数えています。書かれていないこととは違います。
  • 大手チェーンを対象から外しています。チェーンを含めれば、別の傾向が出る可能性があります。
  • 「最初の画面で分かるか」は研究員の判定です。基準は上に書いたとおりですが、読み手によって結果は変わりえます。
  • サイトの目的が新規の来訪者の獲得ではない場合(在校生向け、採用向けなど)、この観測の見方は当てはまりません。

この観測と同じ観点で、あなたのサイトを観察できます。 業界の共通語の中で、自社がどこに立っているかを見るところから始まります。