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基幹記事2026-09-025分で読めます

研究テーマ:顧客・社内の意思決定

難しい商材ほど、認知→興味→理解→購買では進まない

教科書の矢印は、買い手が一人で理解できる商品のための図です。難しい商材では興味の前に理解の一部が要り、その理解は買い手の中では起きません。

記事の性質
研究員の経験則と考えです。例として挙げた商材は架空のものです。
想定読者
BtoB製造業・技術サービスのマーケティング担当者、営業責任者
著者・確認
株式会社スパークル(研究員が確認のうえ公開)

マーケティングの教科書には、認知→興味→理解→購買という矢印が載っています。

この研究所では、この図を使いません。難しい商材では、この順番で進まないからです。

「興味」は、分かったあとにしか湧かない

この図の前提は、買い手が一人で「理解」の段階を通過できることです。缶コーヒーなら通過できます。飲めば分かる。

耐熱300℃の樹脂はどうでしょうか。認知はされます。展示会で看板を見る、広告が目に入る。では次に興味が湧くかというと、湧きません。何ができるものか分からないものに、人は興味を持てないからです。

順番が逆なのです。難しい商材では、理解の一部が先に来て、それから興味が生まれます。「うちのあの工程で使えるかもしれない」と思えて初めて、資料を読む気になる。

  1. 認知
  2. 興味分からないものに興味は湧かない
  3. 理解
  4. 購買
fig.01教科書の順路。難しい商材では、2段目に届く前に切れる。

「理解」は、買い手の中で起きない

もうひとつあります。教科書の図では、理解は買い手の頭の中で起きます。難しい商材では、そうなりません。

担当者は自分では判断できず、社内の技術者に聞きます。技術者は原理は分かるが、自社の工程に当てはめられるかは現場に聞く。現場は「今のやり方と何が違うのか」を売り手に聞き返す。

理解は、買い手の中ではなく、売り手と買い手の間で、何往復かしてできあがります。

この往復に売り手が参加していないと、理解は途中で止まります。止まった案件は、管理画面には「離脱」としか残りません。

  1. 看板・広告を見る認知
  2. 「関係あるか?」の判定自分では決められない
  3. 社内の誰かに聞く技術 → 現場
  4. 売り手に聞き返すここで初めて翻訳される
  5. 比較と稟議社内で説明できるか
  6. 購買
fig.02実際の順路。理解は買い手の中ではなく、往復の中でできる。

教科書の図が悪いのではない

念のため書いておきます。認知→興味→理解→購買の図は、間違っていません。買い手が一人で理解できる商品には、いまも正確に当てはまります。

問題は、難しい商材にこの図を当てはめて、認知(つまり広告費)を増やせば下まで流れると考えてしまうことです。上を増やしても、2段目で切れていれば、切れる量が増えるだけです。

研究所の見立てでは、難しい商材で最初に直したほうがいいのは、認知の量ではありません。「関係あるか?」の判定を、買い手が自分でできる状態にすることです。最初の画面で、誰の、どの困りごとの話かが分かること。それだけで、2段目の切れ方が変わります。

この研究テーマで見ていくこと

この記事は「技術の翻訳」という研究テーマの入口です。ここから先は、切れる場所ごとに1本ずつ書いています。

自社のサイトが2段目で切れているかどうかは、伝わり方チェックにURLを入れると見られます。「何の会社か」「誰向けか」が最初の画面から読み取れるか。それが、いちばん安い確かめ方です。

持ち帰れる確認項目

  • 自社サイトの最初の画面で「誰の、どの困りごとの話か」が分かるか
  • 理解の往復に、売り手が参加できる導線があるか

適用できない条件

  • 買い手が一人で理解できる商品(消費財・汎用品)

根拠・参照

  • 購買行動モデル(AIDMA等)との対比。一般的な教科書の図を出発点にしています
この話を自分のサイトで確かめる

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