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ANALYZE解剖室2026-09-193分で読めます

研究テーマ:技術・価値の伝わり方

「導入◯社」は、何の◯社かを書かないと逆に働く

実績の数字は、正確に見えるぶん、正確に読まれます。何を・いつから・いまも、が書かれていない数字は、読み手の側で割り引かれます。

記事の性質
観察の場面は、複数の事例を組み合わせた架空の例です。特定の実在企業を観察したものではありません。
想定読者
サイトに実績の数字を載せている、BtoB企業の担当者
著者・確認
株式会社スパークル(研究員が確認のうえ公開)

観察

サービスサイトの上のほうに、大きな数字が置かれています。

「導入実績 1,200社」

これを見た担当者が、上司に報告する場面があります。「1,200社に入っているそうです」。上司が聞き返します。

「それ、うちみたいな会社は何社あるの」

担当者は答えられません。サイトのどこにも書いていないからです。数字は、上司の前で一度つまずきました。

仕組み

数字は、正確に見えます。だから読み手は、正確に読もうとします。

何の1,200社なのか。いつからの合計なのか。無料で試しただけの会社は入っているのか。いまも使っているのか。

書き手にとっては、どれも当たり前のことです。当たり前だから書きません。読み手は、書いていないことを好意的には読みません。「都合のいい数え方をしているのだろう」と読みます。

数字が大きいほど、この疑いは強くなります。

  1. 数字を見る
  2. 何の数字か考えるいつから? いまも?
  3. 自社に近い例を探す
  4. 見つからない信頼の材料が、疑いの材料に変わる
  5. 上司に説明する
  6. 候補に残る
fig.01実績の数字が読み手に届くまで。何を数えた数字かが書かれていないと、社内で説明する場面で止まる。

よくある誤解

誤解1:数字は大きいほど効く。

読み手が知りたいのは、全体の大きさではありません。自分と同じような会社が、その中にいるかどうかです。

従業員80人の部品メーカーの担当者にとっては、「1,200社」よりも「従業員100人以下の製造業で64社」のほうが、上司に持っていける数字です。

誤解2:細かく書くと、数字が小さく見えて損をする。

小さくなった数字は、疑われません。「2019年からの累計で1,200社。このうち、いまも契約が続いているのは830社」。830は1,200より小さい数字です。信じてもらえるのは、830のほうです。

確認方法

自社のサイトに出ている数字を、すべて書き出します。それぞれの数字に、次の3つが添えてあるかを見ます。

  1. 何を数えたものか(会社の数か、契約の数か、拠点の数か)
  2. いつからいつまでか
  3. いまも続いているものだけか、終わったものも含むか

3つとも無い数字は、読み手の側で割り引かれています。

小さな実験

いちばん大きく出している数字を1つ選び、すぐ下に小さな文字で1行足します。

  • 「2019年4月〜2026年8月の累計。無料の試用は含みません」

数字そのものは変えません。

足せない場合もあります。社内の誰に聞いても、何を数えた数字なのかが分からない場合です。そのときは、数字を出し続けるかどうかを先に決めます。何の数字か言えないものは、聞かれたときに答えられません。

自社のページにどんな数字が出ているかは、マーケティング解剖室で外から見られます。URLを入れると、機械で拾った「実績の数値表現」が、確認できた事実の欄に最大5つ並びます。

持ち帰れる確認項目

  • サイトに出ている数字それぞれに、何を数えたか・期間・いまも続いているか、が添えてあるか
  • 読み手と同じ規模・業種の数字を出せるか
  • 何の数字か言えないものを、出し続けていないか

適用できない条件

  • 数字の範囲を、すでに注記しているサイト
この話を自分のサイトで確かめる

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