研究テーマ:成果の確かめ方
問い合わせから最初の返事までの時間を、誰も数えていない
マーケティングはフォームの送信まで、営業は商談から先を数えます。あいだの「最初の返事までの時間」は、誰の成績にもならないので、長くなっても気づかれません。
- 記事の性質
- 観察の場面は、複数の事例を組み合わせた架空の例です。特定の実在企業を観察したものではありません。
- 想定読者
- 問い合わせは来ているのに商談が増えない、BtoB企業の担当者
- 著者・確認
- 株式会社スパークル(研究員が確認のうえ公開)
観察
問い合わせフォームが送信されたのは、金曜の17時40分。
通知のメールは、共有のアドレスに届きます。見た人はいます。誰が返すのかは、決まっていません。月曜の朝の会議で割り振られ、担当の営業が返事を書いたのは月曜の午後でした。
送った人は、その週末のあいだに、ほかの2社にも同じ内容を送っています。
この会社では、問い合わせの数は毎月報告されています。商談の数も報告されています。問い合わせから最初の返事までに何時間かかったかは、どの報告にも出てきません。
仕組み
マーケティングの担当が数えるのは、フォームが送信されるところまでです。送信された時点で、仕事は成果として記録されます。
営業が数えるのは、商談から先です。案件として登録されたところから、管理が始まります。
あいだに、どちらの数字にも入らない時間があります。フォームが送られてから、人が最初の返事を書くまで。
この時間は、誰の成績にもなりません。だから誰も数えません。数えていないものは、長くなっても気づかれません。
- 広告・検索
- サイトに来る
- フォーム送信
- 最初の返事誰も数えていない
- 商談
- 受注
- ▪ マーケティングが数えている:広告・検索〜フォーム送信
- ▪ 営業が数えている:商談〜受注
よくある誤解
誤解1:自動の返信メールを送っているから、返事はしている。
「お問い合わせを受け付けました」は、返事ではありません。送った人が待っているのは、自分の書いた内容を読んだ人からの返事です。
誤解2:早く返すには、人を増やすしかない。
時間を食っているのは、返事を書く作業とは限りません。誰が返すかが決まるまでの、待ち時間のことがあります。冒頭の例では、金曜の夕方から月曜の朝までが、まるごとそれでした。
確認方法
- 先月の問い合わせを10件選びます
- それぞれについて、フォームが送られた日時と、人が書いた最初の返事の日時を並べます
- いちばん長くかかった1件について、その間に何が起きていたかを聞きます
「誰が返すか決まっていなかった」「担当が出張だった」「技術に確認していた」。理由に名前が付くと、打てる手が分かれます。
小さな実験
決めるのは一つだけです。問い合わせが来たら、まず誰が返すか。
中身のある返事でなくて構いません。
拝見しました。担当の◯◯から、あすの午前中にご連絡します。
人の名前と、次の連絡の時刻が入っていれば、相手は待てます。
4週間、最初の返事までの時間を書き留めます。何時間なら良いのか、という基準は、研究所は持っていません。比べる相手は、書き留めはじめる前の自社です。
持ち帰れる確認項目
- 先月の問い合わせ10件で、送信から最初の返事までの時間を並べたか
- いちばん長かった1件の理由に、名前を付けたか
- 問い合わせが来たら、まず誰が返すかが決まっているか
適用できない条件
- 問い合わせが担当者個人に直接届き、その人がすぐ返している会社
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3-3 マーケティングと営業の接続(成果の確かめ方)
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